original
『水中の哲学者たち』
永井玲衣(著/文)
発行:晶文社
みなが水中深く潜って共に考える哲学対話。
「もっと普遍的で、美しくて、圧倒的な何か」それを追いかけ、海の中での潜水のごとく、ひとつのテーマについて皆が深く考える哲学対話。
若き哲学研究者にして、哲学対話のファシリテーターによる、哲学のおもしろさ、不思議さ、世界のわからなさを伝える哲学エッセイ。当たり前のものだった世界が当たり前でなくなる瞬間。そこには哲学の場が立ち上がっている!
さあ、あなたも哲学の海へダイブ!
小さくて、柔らかくて、遅くて、弱くて、優しくて、
地球より進化した星の人とお喋りしてるみたいです。
──穂村弘
もしかして。あなたがそこにいることはこんなにも美しいと、
伝えるのが、哲学ですか?
──最果タヒ
人々と問いに取り組み、考える。哲学はこうやって、わたしたちの生と共にありつづけてきた。借り物の問いではない、わたしの問い。そんな問いをもとに、世界に根ざしながら世界を見つめて考えることを、わたしは手のひらサイズの哲学と呼ぶ。なんだかどうもわかりにくく、今にも消えそうな何かであり、あいまいで、とらえどころがなく、過去と現在を行き来し、うねうねとした意識の流れが、そのままもつれた考えに反映されるような、そして寝ぼけた頭で世界に戻ってくるときのような、そんな哲学だ。(「まえがき」より)
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